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原作読みました?

【魍魎の匣】
CM見る限りは前作「姑獲鳥の夏」を越えそうでかなり期待してたんですが、よもやよもやの作品内容。京極作品の映像化は非常に難しいのですが、あれだけ不満だった「姑獲鳥」が極上品に見える出来でした。
観賞後購入したのが「姑獲鳥」のパンフレットと魍魎のブックカバーですもん。
魍魎は改めて思い出したくもないです。
ほんと、「ディパーテッド」並みの後味の悪さ。


監督(脚本兼任)の原田眞人氏に問いたい。
あなた原作読まれました?
それでこの出来なら
いかに上っ面しか読めてないか暴露したようなもんですよ。


京極堂シリーズ本編じゃなくて番外編の「百器徒然袋」ならこの人でもまともな作品になりそう・・・というか似合ってます。
本編はこの人の手に余りますね。
今にして思えば「姑獲鳥」を撮られた故・実相寺監督とスタッフの京極作品への情熱は凄かったなあと痛感する次第。何かね、作品全体を通して安っぽくて緊張感がない。原作が膨大なページ数だから削らないと133分には収まらないが、何箇所か必要以上に時間をかけたため、説明不足のシーンが出てきて原作未読の人にはわかり辛い。往年の大女優の娘加奈子と親友の頼子の関係なんて実にあっさり・・・。【キャスト】・椎名桔平の関口、アレはないだろう。ヤフーのレビューで褒めている人もいるが、あれでは何の問題もなく社会生活できている普通の人です。しかも小奇麗で中流階級の暮らしだし。鬱病気質で、ぼそぼそしゃべり、常に背中を丸めて地面を見ながら歩き、他人との意思疎通が苦手で榎木津に「猿」といじられる関口はどこへいった?前作の永瀬正敏はいい雰囲気だったのに。主要人物の基本設定を守らないと原作の雰囲気が保てないと思うのですが・・・。この作品で最も拒絶反応出るのが関口の解釈でした。・堤・阿部・椎名のアドリブ合戦はコントかよ!ワイドショーでプッシュしていた点ですが、出てくるたびに物語への集中力を削がれるのでうんざり。矢鱈と饒舌な関口と、薀蓄以外に饒舌な京極堂は京極ワールドの雰囲気ぶち壊し。しかも活舌が悪くなるため台詞が籠もる悪循環。・宮迫演じる木場修の扱い不器用で無骨な木場修ですが、あれではただの乱暴者ですよ(涙)。美馬坂研究所内での所業なんて完全にヤクザ。木場修なりの正義感や優しさがまるでなし。かえって青木刑事の存在が際立ってしまう。・黒木瞳が出すぎでは?もうちょっと娘との関係に時間を割いて欲しかったな。女優復帰シーンの必要性はゼロ。衣装代と人件費、時間の無駄。新聞に写真入で掲載するシーンで十分間に合います。・頼子役と加奈子役の演技が下手・敦ちゃんの魅力半減敦っちゃんって当時の女性としては変わった存在なんですよ(職業婦人ですし)。前作のズボン姿にハンチング帽で活発に動き回る敦っちゃんは実に魅力的だったんですが・・・服装が当時の女性仕様で活発度が下がった上に出番も少ない。黒木瞳に時間取られちゃった!?・クドカンの久保竣公原作を読んだのが随分前なのでどういう人物だったのかほとんど覚えてませんが(^^;原田ワールドの中では似合う人ですね。「魍魎」では数少ない好演。・榎木津の特殊能力見えてしまう榎木津の苦悩が上手く表現できていたように思う。阿部寛は眉間皺が深く刻まれていようとかっこいい(笑)。・和寅と鳥ちゃん相変わらずいい味だしてますね~。鳥ちゃんの「うへぇ」がなかったのは寂しいけど。【監督・脚本】どうでもいい場面に時間をかけ、肝心の場面が説明不足。主要人物を変化させすぎ。ゆえにバラバラ感が拭えず瓦礫で作品を作ったような印象を受ける。・時系列が前後しすぎ。・3人のコントは不要。・関口が別人です。・木場修が大ファンの女優の映画を観賞してるシーンは面白いのですが、クライマックスシーンの扱いは最低です。・榎木津が金持ちのおぼっちゃんという設定を印象付けたいんでしょうが、高級車で登場するシーン多すぎます。・京極堂と美馬坂の関係の掘り下げが浅い。・京極堂の魍魎に関する薀蓄が短い(堤真一は楽でしょうけど)・京極堂が必要以上に饒舌で感情豊かになっているので「この世に不思議なことなどないのだよ、関口くん」の台詞に重みがない。・美馬坂研究所内で階段上りシーン長すぎ。美馬坂と木場修のシーン長すぎ。・小説のような小分けのタイトルが邪魔。・最後のトルソーに生身の首をつけたような「ほう・・・」は何なんだ~!【美術】前作に比べると、情熱の度合いが低いっすね・・・。楽をしている感じ。・美馬坂研究所が特撮モノの「悪の総本山」にしか見えないんですけど・・・。外観も内部もすっごくショボイ(^^;・眩暈坂は省略ですか?ないと寂しい。・上海ロケに頼りすぎたのが物足りない。自作セットももっと欲しかった。・敦っちゃんの服装がださ~い。・演出も被ってくるんだろうが、おどろおどろしさに欠ける。・関口夫婦の衣装が派手すぎません?関口家が裕福に見えます・・・(^^;【音楽】・BGMにもっと重みが欲しい。・東京事変は好きですが、物語のエンディングに据えるには浮きすぎていて悲しい。もっとスローテンポでバラードっぽい曲にすれば似合うのに。ま、いろいろ書きましたが、「材料が良くても料理人次第で不味くなる」と体現された作品でした(「ディパーテッド」と共通)。余程作品を隅々まで読み込んで理解しないとアレンジしちゃいけませんぜ、原田監督。椎名桔平以外の主要キャストは変わってないんだから前作のまま演じればいいのに。勿体無い、ああ勿体無い。やっぱり京極作品は個人が字面を追いつつ、行間から漂う雰囲気を想像しながら読み進む作品なのかしら?
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椎名多紀

  • Author:椎名多紀
  • 京都在住の茶馬鹿です。
    美味しいお茶と茶菓子を求めて日々放浪中(笑)。
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